シーソーゲーム

互いに点数を入れあい、逆転に継ぐ逆転が繰り返されるような展開を表す「シーソーゲーム」という言葉は、日本では主に野球の試合に使われることが多いと思う。
こちらでは、野球のように点が多く入る球技にあまり馴染みがないので、使われることは少ない。その代わり、こちらでシーソーゲームと言えばシーソーの上で戦うシーソー・フェンシングの事だ。シーソー・フェンシングは通常のフェンシングとほぼ同様のルールで試合を行うが、「シーソーから落ちたら負け」という厳しい条件が加えられている点が異なる。また、シーソーを使う都合上、試合の際に選手の重量調節を行う必要がある。例えば体重が60kg以内の人が出場可能な60kg級の試合では、各々が「60kg−体重」分の砂袋を腰に巻いて戦うのだ。このため、制限ぎりぎりの体重で出る方が有利となるので、選手はボクサーなみの減量を行って試合に臨む。

ところで「互いに点数を入れあうゲーム展開」をシーソーゲームと呼ぶのは比喩としておかしい。誤っていると言っても良いだろう。なぜなら、シーソーは片方が上がったら片方が下がるのだ。つまり、減点されることがないルールの試合にはシーソーゲームという言葉を使えないのだ。
逆に「互いに点数を入れあうゲーム展開」の喩えとして適切なようにシーソーを再構築するとこうなる。