浮世絵日和

まだ、休暇は続いている。というか依頼が来ない。年に何度か不定期でやってくる仕事の谷間というやつだ。こういうときにすることは決まっている。
浮世絵を描いて売るのだ。
まず、重要なのは「日本の風景や人物を描く事」だ。風景はフジヤマかグレートウェーブ(富嶽三十六景のあれ)以外は避けた方が良い。人物は日本ぽければ何でも良い。試しに忍者を描いてみたときも全く問題なく売れた。
次に重要なのは「レプリカですと明記すること」だ。これはトラブルを避けるためというよりも、こちらではレプリカが本物と偽って売られるのが当たり前になっているので、「レプリカです」と描いておくと珍しがって買って行く人が多いためだ。
昨日は、写楽特集と銘打って「市川鰕蔵の竹村定之進」「奴江戸兵衛」「中山冨三郎」をささっと描いてそれぞれ10枚ほど用意した。一応、ネットで検索した画像を見ながら描いた物ではあるものの、オリジナルとは似ても似つかない代物だ。そんな絵が、野外マーケットに持って行くと午前中だけでほぼ完売するのだ。今回は半月分の収入になった。