動機

ここのところ動機が解りにくい事件が相次いでいる。かつて日本のメディアはこういうときに、犯人が犯行に至った動機を追求するという傾向があったが、今もそうだろうか?「心の闇に迫る」とか真面目に言ってるものだから、馬鹿馬鹿しくて笑いを堪えるのに苦労した事を覚えている。
それに引き替え…などと言うつもりは全然ない。実はこちらのメディアも犯行に及んだ動機を知りたがるという点では日本に引けを取らないのだ。どうでも良い事をほじくり返して「今考えると、この事件が犯人の人格を歪ませ、あのように残忍な犯行へと駆り立てた事は疑いようがありません」と報道するあたりは日本とよく似ている。遠足で迷子になったくらいで、税務署にトラックで突っ込んだりする物かと思うのだが…。
日本と大きく違うのは「心の闇」に相当する慣用句だ。こちらでは「臍の海」という。臍に出来た大海に済む魔物が、人を狂わせ犯罪に導くという古い言い伝えが起源らしい。ニュースキャスターが真面目に「それでは、カルロスがこのような犯行に及ぶ原因となった臍の海に迫ってみましょう」とか言ってるのは何度聞いても笑ってしまう。