機関車エンリケ

エンリケは働き始めたばかりの小さな機関車だ。ある日エンリケがいつもの線路を走っていると遠くに丸太が転がっているのが見えた。
「危ない、このままだと大惨事になる!」
エンリケは慌てて警笛を鳴らしたが、丸太がどける筈もない。機関手は全力でブレーキを掛けるが間に合いそうもない。車掌はいち早く異変に気付き、乗客に知らせた。慌てて飛び降りた乗客も居たが、海に落ち鮫の餌となった。
「大変だあ!このままじゃコップハモハッポ卿に大目玉をくらうぞ!」
エンリケは泣きそうになった。丸太まであと1kmもない。誰もが最悪の事態を覚悟したその時一人の少年が「僕に任せて!」とエンリケの機関室の屋根に飛び乗った。少年は手にした石ころを丸太に向かって投げつけた。機関手は「何を馬鹿なことを」と止めようとしたが、石は500m先の丸太に向かって一直線に飛んでいった。一同が固唾を飲んで見守っている中、少年の投げた石は見事丸太に命中し、丸太は木っ端微塵に吹き飛んだ。
事故は回避されたのだ。
「ありがとう少年。君のおかげで何人もの命が救われたよ」コップハモハッポ卿はお礼を言った。
「そんな。僕はこの汽車が大好きなだけなんです」少年は、はきはきと答えた。エンリケはこの少年のような子どもたちのためにも一生懸命走ろうと心に誓うのであった。
この少年こそが後のハンカチーフ王子である。

こっちのテレビ番組はだいたいこんな感じです。