あくび

あくび
2006年/ベネズエラ/監督:シン・オオモリ/180分
「俺より退屈なやつが、どこかにいる」
19世紀末のイギリス。新大陸の発見によって造船業はかつてない好景気を迎えていた。港町サイタマも例外ではなく、多くの造船所はカヌーから空母まで作れる船は何でも連日フル稼働で作っていた。
ジミーは町で一番大きな造船所「海馬の咆哮」に勤める見習い設計士だ。ジミーには "見ただけであくびが出るほど退屈な客船を作る" という壮大な夢があるのだが、まだまだ実力が伴っていない。そのことはジミー自身が一番良く解っている。焦るジミーを見て恋人のケイトはいつも苦々しく思っていた。ある日ケイトはジミーにうっかり本音を漏らしてしまう。
「ゴーヤの綿はちゃんと取り除いてって言ったでしょう!だからあなたはいつまで経っても足の短い三流設計士なのよ!!死ねばいいのに」
逆上したジミーはケイトを大理石の灰皿で殴り殺してしまった。そんなジミーでも町の人たちは暖かく見守るのだった。
ある日ジミーの元にフランスの企業からヘッドハンティングの誘いがあった。
「ミーのお国ならどんな船も好きなように作れるざんスよ」
夢を取るかパブのビールを取るか、ジミーの心は揺れ動く。フランス人の言葉に対する不審感もある。そんな中ジミーが下した決断とは…。