クラウディオと毒蛇

クラウディオと毒蛇
2001年/チリ/監督:ルビー・フジモ/140分
「どうして、歯が痛むんだ…」
「南半球で一番根暗なギャング」ことクラウディオ(カルロス・カルロス)は、原因不明の虫歯に悩んでいた。何もしないのに歯が痛くなるのだ。おかげで大好きなアイスバーも食べることができない。縄張りに住む浮浪者に八つ当たりをしたり、売り物の密造酒を浴びるほど飲んだり、クラウディオの心は荒むばかり。
ある日、クラウディオはいつものように歯の痛みにイライラしながら今月の売り上げを数えていたら、ボスのダニー(イタロ・メンデス)が事務所に戻ってきた。ダニーは「学園祭クイーン選考会」の打ち合わせで、上物のワインをしこたま飲んできたと言っている。酔ったダニーは「ご苦労ご苦労」とクラウディオの頬を愛用の軍配でぺちぺちと叩いた。ダニーにとってはいつもの挨拶だが、歯痛のクラウディオはこれに逆上し、ボスを大理石の灰皿で殴り殺してしまう。
組織に見つかったら殺される。事務所中の金と血まみれの軍配を鞄に詰めクラウディオは逃げた。
あれから3年、クラウディオは組織の追及を逃れサンパウロに身を隠していた。堅気となってメイド喫茶の支配人を立派に勤めるクラウディオの元に毒蛇と名乗る怪しげな老人(アメリオ・フェデリコ)が尋ねてきた。
「俺は歯医者だ」
「歯医者?聞いた事ないな。歯医者ってなんだよ?」
「知らないのか?歯の痛みを直す医者のことさ」
「なんだって!」
俺を長年苦しめてきた歯の痛みが直る!クラウディオは喜んで見たものの、老人の言葉を信じきることが出来ない。「だいたい何でこの老人は俺の歯が痛むことを知っているのだ、組織の仕向けた刺客じゃねえのか」クラウディオの不信は日に日に大きくなる。そんな中クラウディオが下した決断とは…。