フリーブログ

大抵の流行は世界に先んじているこの国だがIT関係はさすがに弱く、1年遅れでやっとブログブームがやってきた。こちらのブログではシュールな作風のサイトが多い。思いついたことを脈略もなく書いているので、前後の文章に繋がりが無く、それどころか単語の羅列だけの文章になっていないブログすらある。俺はこういったブログをフリーブログと呼んでいる。フリーブログは、翻訳では解り難いかもしれないが、雰囲気だけでもお伝えしようと思う。
例1:都市部で暮らす30代独身女性

○月×日 カーニバル
晴れたり曇ったり。庭の草花が枯れそうだ。水も肥料も適量与えてるのにおかしい。隣の家も同じようなことを言っていた。空気が悪いのかもしれない。市役所に税金の書類を取りに行ったら窓口の係員がとても良い受け答えをしていた。こんなの初めて、アメリカみたいだ。全ての役所がそうなってくれたら良いのにと思ってたら、車の修理代は予想より安かった。浮いたお金で何を買おう。甥は4歳になっただろうか。
トマト(3個)豚肉(200g)香辛料(適当)、うまく出来たと思う。

文章の繋がりがなく、タイトルも意味不明だが、これは言いたいことがある程度理解できる分、比較的まともな方だ。次のはもっと解らない。

例2:郡部の学校に勤める教師、20代の男性

○月×日 教育について思うこと
算数、算数、算数!教えても良いけど忘れるからだめだ。理科にしておけば良いのに。
発芽・気温・湿度・スケッチ・公式通り・グラフ。やっぱり算数だ。
理事長が大嫌いだ。みんなで呪おう!君も呪うべきだ。
宿題を忘れた生徒にどんな罰を与えよう。楽しい。罰を考えているときが本当の私だ。
TODO:税金を納める、研究成果報告の書類を書く、屋根の修理を依頼する、理事長の服装センス最悪、パン

実はこの人のことを個人的に知っているのだが、至って真っ当な人である。心に闇を抱えているとかそういう訳ではなく、頭に浮かんだ文章を何も考えずに書いているらしい。こちらのブログは北米と同様に実名で書いている人が多く、この方も実名を公開している。こんなのを書いてよくトラブルにならないなと思う。
上記の2名が特殊なのではなく、とにかくこんなブログばかりなのだ。次の人に至ってはまったく理解できない。

例3:場所不明、30代男性

○月×日 日焼け世代
大臣。こちらに履き物が売ってます。鳥を焼いてもいいですから大臣の為に三羽焼きましょう。おいしいですか?私はおいしいです(私を食べるという意味ではありません)。
昨日の続き。キャンプの計画は順調に進んでいる。休暇の申請も無事に終わって良かった。それぞれ手分けして持って行く物を手配した。久しぶりかつ大規模なキャンプになりそうで、とても楽しみだ。仕事に身が入らなくてボスに怒られないようにしなければ(笑)。
大臣。いや、私が大臣。あなたは大臣ではない。それなのに鳥を食べましたね。川が川が3日先までいっぱいで、私の腕には印が付けられている。それが本当に。

この人とは面識がないが、多分普通の人だろう。プロフィールを見ると、政府関係の仕事をしていて、料理とアウトドアが趣味とのこと。最近は鳥料理に凝っているとか。途中のキャンプのくだりだけ、まともになるところが面白い。
このフリーブログ、日本でも流行らないだろうか?